このイベントも,どうにかこうにか3回目でして,来てくださっている学生の皆さま,出展してくれているゲーム会社の皆さま,本当にありがとうございます。しかし3回目ともなると,もうさすがに新しく書けるコメントなんて何もありません。きっとイードの宮崎さんもそう思っているはず。
……さて前回のキャリアクエストは12月22日だったので,ぴったり8か月が経ったタイミングでの開催です。その240日くらいの間に,ゲーム業界は「Nintendo Switch 2の発売」という大型イベントを経験しました。そろそろ,そこそこ多くの皆さんの手に渡ったかな? という感覚ですが,実際どうでしょう。私も買いましたが,もういいおっさんなので,画面が大きくなって見やすくなったのが一番嬉しいです。
そんな楽しかったSwitch2発売はさておき,もうちょっと視点を上げてみると,AAAという,欧米のゲーム業界が日本に打ち勝つために編み出した“力技”も,そろそろ限界を迎えてその役割を終えつつある感があります。そしてそれに呼応するように,インディーゲーム界隈がますます発展していっています(さすがに“発展”しすぎじゃないの? という面も否定できませんが)。
お隣中国では,政府が手のひらを返してゲーム業界をサポートするようになって,今以上にますます業界が発展していくことは明白ですし,全盛期の栄華から比べると少しなりを潜めていた,ゲーム業界的には“雌伏の龍”と呼べる韓国も(若い人はあまり知らないかもしれませんが,オンラインゲームは韓国で花開いたジャンルだと言えます),その舵を急速に「Steam/コンソール」に切り始めていて,日中韓でますます熾烈な争いを繰り広げることになりそうです。
ほかのアジア圏を見ても,インドネシアやマレーシアを筆頭に(かつての中国がそうしてきたように)「世界の下請け」から脱却しつつある国もいくつもあります。アジア圏だけでさえそんな調子なので,このあとの世界のゲーム業界は,ますます混迷を極めていくと思います。
そんな,かつてないほどのカオスな時代に,ゲーム業界に飛び込む皆さんはとても幸せです。きっとこれからの時代,決められたことを決められたとおりにやっていては瞬殺されるだけなので,あらゆる知識と感性を動員して,常に新しい何かに挑戦し続ける必要があるのだと思います。
世界に誇る日本のゲーム業界は,文字どおり「世界に誇れるレベル」だったので,ほんの少しだけサボってしまっており,それがいまになってボディブローのようにじわじわダメージを与えています。世界で戦っていけるゲーム会社を,世界で通用するゲーム会社を,これを読んでいる皆さんが作るターンなのです。このキャリアクエストで,いい出会いを見つけてもらえたらな,と心から願っています。
……ところで全然関係ないんですが,こないだイードの宮川社長とご飯食べてたら「次は○○をやろうか」みたいな話で盛り上がったんですが,あれホントにやるのかな……(結構大変です)。
兼 4Gamer.net編集長
岡田和久